

サブ(sub)ラクセーション(Luxation) 直訳すると"脱臼以下の関節のズレ"の事です。
サブラクセーションしている箇所は存在しても4箇所程度です。その他は補正のズレ(カンパンセーション)となります。サブラクセーションが起こると椎骨は可動性を消失し、神経圧迫を伴います。
サブラクセーション=骨のズレですが、広い意味でサブラクセーション=神経圧迫とも表現できます。
カイロプラクティックでは患者さんの訴える症状を取り除くのではなく、このサブラクセーションを取り除く事を目的に施術を行っています。
カンパンセーションは、サブラクセーションによって起こる補正の歪みなので
矯正の対象外となります。サブラクセーションを矯正する事で、カンパンセーションによる歪みは自然に改善されていくからです。
「ボキッ」ていう矯正音、サブラクセーションの箇所を矯正した時は比較的小さめの音ですが、カンパンセーションを矯正した時は逆に大きな音が鳴るのも特徴です。
サブラクセーションか?カンパンセーションか?の判断は、主にレントゲン解析を使用します。レントゲンによって写し出される歪みの全体像や、サブラクセーションの進行度から導き出していきます。
右にサブラクセーションとカンパンセーションの関係を図解しました。第2腰椎で最初のサブラクセーションが起こっています。それを水平に戻そうと第8胸椎で補正しています。これがカンパンセーションになります。
その上の第6胸椎においても、サブラクセーションが起きています。それをまた水平に戻そうと第4胸椎で補正をしています。この補正もカンパンセーションになります。
第2腰椎のサブラクセーションを改善すれば、自然に第8胸椎のカンパンセーションは改善していきます。
逆に第2腰椎のサブラクセーションを見逃し、第8胸椎ばかり矯正しても第8胸椎はいっこうに改善していきません。
また第2腰椎のサブラクセーションを改善しても、第6胸椎のサブラクセーションは別の歪みなので、自然には改善していきません。第6胸椎は別途矯正が必要になります。
これがサブラクセーションとカンパンセーションの関係になります。

椎骨と椎骨の間にはクッションの役割を果たす椎間板があり、その椎間板により神経の通り道である椎間孔を健全に保っています。この椎間孔から神経が枝のように分岐しているので、この椎間孔の健全さが重要になる訳です。

脊椎分離すべり症・感染症脊椎炎・圧迫骨折・脊柱管狭窄症・脊椎腫瘍など神経圧迫を起こす原因は色々ありますが、サブラクセーションが主原因で起こる神経圧迫には主に3つあります。
【原因1】サブラクセーションによる椎間板の変形
【原因2】サブラクセーションの退化による椎骨の骨棘化
【原因3】サブラクセーションの退化による椎間孔の狭窄

又、その他の原因として椎間板ヘルニアがあります。
これは椎間板の中にある髄核が繊維輪を破り飛び出し、それが神経を圧迫している状態です。
ヘルニアになってしまった背景もサブラクセーションが潜んでします。患部もしくはその周辺にあるサブラクセーションが原因となり、椎間板に過負荷が掛かり髄核が飛び出してしまった為に発症します。


サブラクセーションを放置すると椎間板や椎骨の形にも変化を及ぼし、神経のダメージや萎縮(細く短くなる)を起こす原因になります。カイロプラクティックでは、サブラクセーションが慢性化し組織のかたちが変形してしまった事を「サブラクセーションの退化」と呼んでいます。
レントゲン解析により、D1の急性期~D6の退行変性最終期まで6段階で表します。

D1:急性期
椎間板に急な損傷が起こると水分吸収が過度に行われる。この為神経終末が刺激され腫れ・炎症・発熱を伴う。
D2:変性期
後部椎間板スペースが減少し、椎骨は後下方へ変位する。(約6ヶ月掛かって進行する)
D3:慢性期
損傷が進行し、さらに後下方変位が強くなる。椎間板の前部は変らないが後部のスペースが著しく減少する。(約3年~5年掛かって進行する)
D4:超慢性期(椎間板の厚さは元の2/3まで減少)
椎間板スペースの減少は可動性を著しく損ない、椎体辺縁に変位が始まる。後ろの椎間関節にも過度の負荷が掛かる為、骨関節炎変化が起こる。(約5年~8年掛かって進行する)
D5:退行変性期(椎間板の厚さは元の1/3まで減少)
椎体の後下方変位が非常にきつくなる。慢性が進行し治すのが非常に難しくなる。5年以内にこの段階に進行していたら重大な損傷である事を示す。(約8年~12年掛かって進行する)
D6:退行変性最終期 (椎間板の厚さは元の1/3以下に)
椎体自体が自然融合を起こそうとする。腰痛などは次第に軽減する。治すのは殆ど不可能。(15年以上放置した場合)
同じ腰痛の症状で来院されても、人それぞれサブラクセーションの退化の段階に違いがあります。カイロプラクティックを受けて改善が早い人と、時間が掛かる人の差はここにあるのです。
虫歯にもC1~C4って段階がありますよね?C1の虫歯だと治療はすぐ終わりますが、C3やC4だと歯の損傷が激しく治るのに時間が掛かります。それと同じだと思って頂くと理解しやすいかと思います。
長い年月を掛けて退化が進んでしまったサブラクセーションは、改善していくのにどうしても時間を要します。矯正を続ける事で徐々に段階は下のレベルに改善していきますが、D5以上のレベルですと改善は非常に困難になります。
また、年齢によっても退化の進行は変わってきます。
10代の椎間板は弾性に富み血液により椎間板に水分が供給されます。しかし20代に入ると椎間板への水分は浸透圧でしか供給されないのです。この為、20代を過ぎると放置されたサブラクセーションはどんどん退化していきます。
20代を過ぎてからは脊柱を可動させる事で椎間板に水分供給がされますので、身体を動かす事はこういう意味でもとても重要になります。椎間板が弾性に富む10代から定期的に矯正を行い、歪みのない身体にしておく事がサブラクセーションを慢性化させないとても有効な手段となります。

サブラクセーションが起こる理由は3つのストレス(DDパーマーの定義)が原因です。
1. 物理的ストレス:
交通事故・日常生活の姿勢の悪さ・無理な姿勢・過度なスポーツ・出産・慢性の運動不足・転倒など
これら物理的ストレスにより、骨が歪みが起こり神経の伝達が阻害されます。
2. 生化学的ストレス:
医薬品の服用・加工食品の摂取・化学調味料の摂取・タバコ・薬物の摂取・お菓子の過剰摂取・インスタント食品の過剰摂取・放射能・環境汚染による有害物質など
これらが原因でストレスホルモンが発生し、筋の収縮を招き神経の伝達が阻害されます。
3. 精神的ストレス:
うつ症状・過剰な心配症・ネガティブ思考・幼年期や過去の精神的トラウマ・家庭不和・人間関係のトラブルなど
これらが原因でストレスホルモンが発生し、筋の収縮を招き神経の伝達が阻害されます。

1)定期的にカイロプラクティックを受ける事
2)栄養・運動・休息をとる事
3)いい姿勢を維持する事
4)事故や怪我を予防する事
5)タバコ・医薬品・薬物・化学物質(化学調味料、合成保存料、着色料など)をなるべく摂取しない事
6)ストレス発散に心掛ける事


サブラクセーションによって起こる障害は、痛みやしびれだけではありません。
以下の9つの神経機能に問題を生じます。これらの機能低下により様々な病気を発症します。
人間の機能はすべて神経がコントロールしています。体温が上がれば毛穴を開く、全速力で走ったら息があがり脈が速くなる。身体に余分な物は便として排出する、夜になったら副交感神経を働かせて各細胞を休ませるなど、これらは脳幹が神経を通じて行っています。
もしその大事な神経の役割がひとつでも機能しなかったらどうでしょう?人間の補正力でなんとか対応すると思いますが、いずれは病気になってしまいます。
脊骨は24個の椎骨で構成されておりその中に中枢神経が通っています。そして椎骨と椎骨の間から末梢神経が枝分かれして通っています。
この椎骨は繊細な神経を保護する大事な役割があります。いわば鎧です。
もしその鎧が歪んでしまったらどうなるでしょう?神経を守るはずである鎧が、自ら神経を圧迫してしまうのです。神経を圧迫してしまえば脳幹と各細胞の情報伝達が滞り、身体を正常に制御出来なくなるのです。
これがサブラクセーションと病気のメカニズムです。それだけサブラクセーションは身体にとって危険なものなのです。
(1)温度(体温)
(2)痛み
(3)運動器官
(4)膨張
(5)呼吸
(6)内分泌
(7)栄養を運ぶ
(8)排出作用
(9)修理する力

痛みやしびれなどの症状がなくてもサブラクセーションは存在します。
神経圧迫が50%以下の場合には、身体に痛みなどの信号は届かないと言われています。正確に言いますと届いているのですが、フィルターを掛けて痛みやしびれを伝えない様にしているだけなのです。
確かにわずかな神経圧迫で、痛みやしびれを全部感じていたら生きていけませんからね。
痛みやしびれを発症した場合、それを感じたタイミングでサブラクセーションが起こったのではなく、そのずっと前からサブラクセーションは存在し、長い月日を掛けて神経を圧迫していたというケースが殆どです。
ですので、症状がない場合でもサブラクセーションが存在する可能性は十分ある訳です。
"健康に自信がある方""過去に何かしらの治療を受けて今は落ち着いている方"など、症状が出ていない今こそカイロプラクティックを受ける絶好のチャンスです。その方が効果的な施術が出来ますし、もし今後症状が出た時でも来院頻度が少なくてすみます。
予防は最大の治療です。症状が無くても最低1ヶ月~2ヶ月に1回はメンテナンスで来院される事をお勧め致します。
⇒検査について