うつ病の治療は身体の中の神経機能が重要!
日本におけるうつ病の患者数は推定で300万人とされています。これは、厚生労働省のデータや他の研究に基づいた数字であり、実際の患者数はさらに多い可能性があります。
うつ病の明確な発症メカニズムは現時点では解明されていません(2020年9月時点)。
しかし、うつ病患者は情動行動を制御する神経伝達物質(神経細胞間の情報伝達に用いられる分子)のなかのセロトニンやドパミンの機能低下が関与している可能性が示唆されています。セロトニンは心を落ち着かせ、ドパミンは活動性を高めて楽しみを感じさせるとされています。
また、脳の海馬や前頭葉などの領域で学習機能に重要な“神経栄養因子”が減少していることも示唆されています。ストレスを受けるとストレスに対処するためにグルココルチコイド(コルチゾール)が分泌されますが、このホルモンが長期に過剰放出されると神経細胞が傷害されることが知られており、うつ病発症を誘起すると考えられています。