免疫は脳と神経が
コントロールしている!
関節リウマチは自分自身の体に免疫反応が起こることにより、関節の内面を覆っている滑膜に炎症が起こる自己免疫疾患です。滑膜に炎症が起こると、滑膜が増殖して周囲の軟骨や骨を溶かし関節に長期間にわたって炎症が起こるため、結果として関節が破壊され関節の変形、脱臼、融合など体の機能に障害が現れることがあります。日本では人口の0.5〜1%がかかる比較的頻度の高い全身性免疫疾患で、男女比は1:3〜4であり女性の患者が多い病気です。日本における関節リウマチの患者数は約60~70万人と推定され、その約8割が女性に多く確認されます。
関節リウマチでは、本来細菌やウイルスなどから自分を守るはずの免疫機能が、何らかの異常により自分の体の一部である関節に対してはたらき、痛みや炎症を引き起こすと考えられています。発症にいたる詳しい原因は明らかになっていませんが、遺伝的要因と環境的要因が組み合わさって発症するものと考えられています。
近年の研究では、関節リウマチの発症に遺伝的要因が10〜15%関与していると考えられています。遺伝的要因としては、リウマチになりやすい遺伝子が100種類程度あると考えられており、その代表例として白血球の遺伝子であるHLA-DRB1などが挙げられます。一方、環境的要因として確実視されているのは喫煙です。また、可能性のある要因として、歯周病、腸内細菌の乱れ、慢性の呼吸器感染症など免疫系が活性化される要因が挙げられています。