喘息

喘息

咳が落ち着いた

40代女性
来院に至った経緯
1年前より右肩の可動制限があり、整形外科に通院をしていたが症状の改善は見られなかった。夜間痛も出るようになってしまい、他の治療方法はないかと検索し当院に来院された。40肩の改善を主目的に来院されたが、カイロプラクティックが内科の症状にも効くという事をHPで知り、長年悩んでいた喘息も少しでも緩和すればいいと思い相談があった。
【既往歴】 
40肩(肩関節周囲炎)に関しては、整形外科を受診。肩関節のレントゲンを撮り、異常なし。湿布と痛み止めとビタミン剤の処方。喘息に関しては、呼吸器科に通院。気道の炎症を抑える為、ステロイド吸引薬で気管の使用。3年間使用したが症状の変化は無かった。
初診の状態
  • 01

    右肩関節の外転制限あり(屈曲OK)

  • 02

    常に弱く乾いた咳をしている(約1回/30秒)

  • 03

    更年期の症状がある(多汗)、便秘の症状なし(乾性の喘息と関連する為)

経過と内容
【所見】
・ROM 右肩外転(90°)可動時痛みあり 右肩甲帯伸展(5°)可動時痛みあり
・神経学的検査 異常なし  
・整形外科検査 MPT(--)

【体表温度の検査】
C6 T8 L5 仙骨

【視診】
右耳介下方
左肩峰下方
右腸骨外転
右臀溝下方
右短下肢
左僧帽筋膨隆

【静的触診】
全体的に背中が湿っていた。
T8くぼんだ浮腫
L5棘突起上に大きな浮腫

【動的触診】
C6 T8 L5 P-L T12ハイパー

【レントゲン評価】
全体的にサブラクセーションが大きく存在している印象だった。事故歴や出産時も安産との事で、外傷による影響は無いと思われる。特にC6の変位が大きかった。
腰仙角は29°と小さいが腰椎カーブは正常。L5はD3程度 頸椎カーブは乱れC5がD4程度。
レントゲン上、子宮筋腫も確認された。坐骨結節が映ってない為、閉鎖孔の形状のみで左ASを判断した。

【リスティング】
C6PLS L5PRS (T8PLI-T)

【経過と内容】
喘息に関しては乾いた咳が出ている事から、体内の化学物質の問題による喘息と判断し、交感神経系に的を絞ってアジャストメントしていく事とした。交感神経の問題でも副腎機能低下か甲状腺機能低下か悩んだが、レントゲン上でC6の大きな変位と可動制限があった事、更年期障害特有の症状もあった為、甲状腺機能低下による科学的な問題だと判断した。右肩関節においては自律神経のバランスに関係ない為、AI変位をアジャストメントしていく事とした。話し合いの結果、1週間に1回の来院頻度で3ヶ月の提案をさせて頂き治療をはじめた。

(1回目)交感神経の系のL5とC6のみアジャストメントを行った。C6はサブラクセーションが慢性化しているせいか、可動性が悪くアジャストメントの手ごたえはなかった。問診時に腰の違和感を特に聞いていなかったが、すごく腰が楽になったと言われた。
(2回目)喘息も肩関節の可動域も特に症状の変化なし。
(5回目)肩の可動域が少しずつ良くなってきた。
(8回目)咳の回数が減ってきた(約1回/1分)手汗の症状も改善してきた。
(10回目)咳の回数が明らかに減ってきた(約1回/3分)
(12回目)咳の回数がほぼ無くなってきた(約1回/8分)同じ交感神経系内なのでT8もアジャストメントをしていく事とした。T8をやるようになってから肩関節の可動域も他動運動で外転側に挙上できるようになってきた。このまま継続してアジャストメントしていく。
当初予定していた3ヶ月が経過したが、症状が改善していきているので、本人の意向もあり現在の治療周期のまま継続中。


考察
当初は肩関節周囲炎の治療で来院されたが、喘息の症状の症状がカイロプラクティックで改善できる事を知り、喘息の治療を中心に治療計画を作成した。今回のポイントは交感神経系のサブラクセーションに的を絞った事。その中でも甲状腺機能低下の原因となっているC6のサブラクセーションが改善した事で、神経機能が回復し、喘息の症状も緩和していった。手汗がすごかった為、副交感神経系のサブラクセーションをやるべきか悩んだが、年齢的も更年期の頃という事もあり、レントゲンでの評価も体表温度の検査でもC6に異常を見つけた為、C6を中心に施術を行った。同じ交感神経系だが、副腎機能低下に関連するT8のサブラクセーションをホルモン系も混ぜない事を狙って、あえてT8はアジャストメントしなかったのも良かったかもしれない。また、クライアントに今までやっていなかった適度な運動を取り入れてもらった事、乾性の喘息に影響を与える嗜好品である砂糖・チョコレートとビールを治療期間中やめて頂いた事もいい方向にいったのではないかと推測する。今後も継続的に経過をみていき完治に向けて最善を尽くしていく。
喘息
孕石 尚志

執筆者孕石 尚志

昭和48年7月 静岡県島田市出身
東京カイロプラクティック師協会認定の附属治療院にて副院長を任され、2005年7月島田市にて開業。近隣医院と提携したレントゲン評価を導入した正統派カイロプラクティック院として評価され、新規患者の約7割が紹介という広告に一切頼らない口コミによるネットワークを確立。現在ではカイロプラクティック界の名門シオカワスクールにて、塩川満章D.C.の内弟子として、塩川雅士D.C.のもとカイロプラクティックの講師として精力的に活動中。

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