2010.01.04
クレイトムソン物語③/全12回
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やがて、クレイが少年時代を過ごしたキースバーグともお別れするときがやってきた。大学でバイオリンを勉強するためにシカゴに行くことになったからだ。
しかし、人口2500人以上の町に住んだこと無く、いつも川があるところで生活していたクレイは、シカゴのような大都会にはなじめずに2~3回ホームシックにかかり、泣いて過ごしたこともあった。
キースバーグ時代にアルバイトをしていた薬局の店主が、友人のシカゴで薬局を経営しているフレッド・レイモンドを紹介してくれたので、クレイはそこでアルバイトをすることになった。大学生活と、夕方6時から夜中の12時までのアルバイトを週に7日間こなした。
シカゴで1~2年勉強すると、1929年の世界大恐慌となり全米で金持ち達がビルの窓から飛び降りたりなどの悲惨な状態を目にする事になった。
このような状態の中で勉強を続けることが出来なくなったクレイは、退学して故郷のキースバーグに帰ってきた。クレイが21才の時である。
故郷に帰ったクレイは、以前に父親が勤めていたマッキーボタン社に就職したが、まもなくその会社も倒産してしまった。
その後マッキーボタン社の紹介で、アイオワ州のマスカティンにあるボタンの会社に就職することとなった。ここでクレイは、後に婦人となるペギーと出会うことになる。
マスカティンで行われたダンスパーティーで、クレイはペギーに一目惚れしてしまう。
その後、友人を介して二人は付き合うこととなり1年後に結婚する。
つづく