昨日9月18日はカイロプラクティックという治療法が生まれた日でした。
カイロプラクティックという治療法が生まれるきっかけとなったのが、
背骨を矯正したことで難聴が治ったという出来事でした。
今回は難聴などの耳の問題を改善するために私達がどんなことを考えながら臨床を行っているのか?
普段どんなことを気をつければ良いのかについてまとめました。
難聴・耳鳴りに対してのアプローチ
l 難聴や耳鳴りは様々な原因によって起こり、両方とも同じような原因で発症します。耳自体に問題があったり、脳腫瘍の可能性も0ではないので必ず医療機関で診察を受けてください。
l カイロプラクティックでは以下のようなことを考慮しながら、問診・検査を進めアジャストメントを行います。
ü カイロプラクティックにおける臨床報告では、上部頸椎もしくは胸椎でのサブラクセーションとの関連が示されている。
ü 頚椎(特に上部頸椎)サブラクセーションに伴う椎骨動脈圧迫によって発症している可能性がある。
ü 上部胸椎サブラクセーションにより頭部の血流が悪化している可能性がある。
ü 副腎や甲状腺を支配する交感神経領域でのサブラクセーションが起こり、免疫反応を制御できずにリンパ浮腫が起こっている可能性がある。
ü ストレスによって交感神経系の過緊張が継続し、炎症反応が過剰に起こりやすい体質になっている可能性がある。(←アジャストメントにより副交感神経を刺激し自律神経のバランスを取り戻す。)
普段の生活で気をつけること
l 積極的に運動に取り組み、ストレスの解消と自律神経の乱れの改善を行いましょう。
l 悪い姿勢を避けましょう。
l 睡眠時間をしっかり確保しましょう。
l 規則正しい生活習慣を身に着けましょう。
立ちくらみ、めまい、失神など(起立不耐性) 、午前中の体調不良、睡眠の異常 、頭痛 、胃腸の不調、発汗異常など(自律神経症状) 、疲労感、倦怠感 、思考力、記憶力の低下(ブレインフォグ)などの症状がある方は起立不耐症・起立性調節障害が疑われますので是非御覧ください。
起立などの体位の変換に伴う症状に対してのアプローチ
l 起立時に起こる循環器でのメカニズム
起立により血液が下半身へ移行するが、交感神経の機能によって、心拍数・心臓収縮力・血管の収縮が起こり血液の下半身への移行とそれによって起こる上半身の血液量の減少を補う。
l 起立性低血圧は交感神経が正常に機能せずに血液が下半身へ移動、上半身の血液量が低下することで起こっているので、交感神経機能の妨げとなっているサブラクセーションを取り除きます。
l 体位性頻脈症候群は血液の下半身への移動に対して交感神経が過剰に反応することで起こります。
交感神経が過剰に反応してしまう原因とカイロプラクティックケアでのアプローチ
① 元から交感神経が過緊張を起こしている体質で、体位の変換により交感神経がさらに緊張して頻脈を起こしている場合は、副交感神経でのサブラクセーションを取り除き、副交感神経が正常に機能できる環境を整えて、交感神経とのバランスを調整します。
② 末梢の交感神経が機能せず、代償として中枢(脳)からの交感神経出力が強まり、心臓への交感神経出力が増加したことで頻脈を起こしてしまっている場合は、交感神経・副交感神経両方とものサブラクセーションを取り除いていく必要があります。
普段の生活で気をつけること
l 体液容量増大の目的で塩分や水分の摂取をまめに行いましょう。
l 弾性ストッキングの着用は下半身への血液移動を抑制する対処的なものになるでしょう。
l 積極的に運動に取り組み心肺機能の向上を目指しましょう。
l 食事内容の工夫(貧血対策)
ü 高エネルギー、高タンパク、高ビタミン食
ü 鉄含有量の多い食品:レバー、牛肉、大豆、ほうれん草など
ü 造血ビタミン(ビタミンB12、葉酸)を多く含むもの
葉酸・・・レバー、ほうれん草、インゲン、ブロッコリー、アスパラ
頭部のふらふら感や浮動性のめまいを発症し、病院に行っても特に異常は見つからないといったケースでは、このような自律神経と循環器での問題が疑われます。とりあえず症状が出たときにステロイドなどの薬で乗り切るといった対処的な処置だけでなく、カイロプラクティックケアと生活習慣の改善による根本的な体質の改善をおすすめいたします。
めまいに対してのアプローチ
l メニエール病、回転性めまい
内耳の問題によるもので、そこに影響を与える上部頸椎の問題(首の上部)を解決します。カイロプラクティックの様々な臨床報告では、頚椎1番の問題が最も原因になりやすいと言われています。また、医療におけるアプローチも加味すると、交感神経の問題、特に甲状腺・副腎に関わる問題(背中の問題)も改善していく必要もあると考えられます。
l 上部頸椎でのサブラクセーションによる固有感覚受容器からの情報伝達異常によるもの
平衡感覚は内耳の三半規管だけではなく、他にも様々なシステムが関係しており、その中の一つに「固有感覚受容器」があります。この固有感覚受容器は関節内や筋肉などに存在しており、関節がどれぐらい曲がっているのか、筋肉がどれぐらい収縮・伸張しているのかを感知します。
そこで得られた情報が神経を通して脳に伝わることで、体がどんな状態なのかを脳が把握でき、平衡感覚においてとても重要な役割を果たしています。
上部頸椎でのサブラクセーションによって首から頭にかけての感覚情報の伝達異常が起こり、平衡感覚に支障をきたします。
l 起立不耐症によるもの、浮動性めまい
起立などの体勢の変換や長時間の立位・座位などによって起こる血液の上半身から下半身への移動に体がうまく対応できず、脳血流量が減少しめまいが起こっているタイプです。
「起立不耐症」に関してはまた後日アップさせていただきます。
普段の生活で気をつけること
l 睡眠時間を確保し、可能であれば運動も積極的に行ってストレスの解消に取り組みましょう。
l 上部頸椎での問題を早期改善するために、姿勢の改善に積極的に取り組んで下さい。
l
めまいはカイロプラクティックで比較的改善例の多い症状です。
メニエールなどの難しい病態で、苦労をされている方も多いかとは思います。
カイロプラクティックケアと生活習慣の改善により、
根本的な体質の改善に取り組む価値は大いにあると思います。
頭痛の原因と、それに対してのアプローチ
脳梗塞などの頭蓋内疾患でない頭痛の場合は、脳で副交感神経機能の過剰な亢進が頭痛発症時に起こっています。その原因としては以下のものが考えられます。
① 副交感神経優位の体質
l 交感神経サブラクセーション
l 甲状腺や副腎の機能低下に伴うホルモンバランスの問題
l 心臓に関わる交感神経サブラクセーションに起因する脳血流の異常
l 末梢での副交感神経サブラクセーションによるフィードバックで中枢副交感神経機能が亢進している
カイロプラクティックでのアプローチ
l 交感神経領域で特に甲状腺・副腎に関連するサブラクセーションを優先して取り除いていきます。
l 消化不良などの消化器系の症状や高血圧などの症状がある場合は、末梢での副交感神経サブラクセーションにより末梢の副交感神経機能が低下し、そのフィードバックで中枢の副交感神経機能が亢進していることが考えられますので副交感神経領域でのサブラクセーションを取り除きます。
② 脳が休息を必要としている
l 睡眠不足
l 情報過負荷
l 脳の消費エネルギーの増大
カイロプラクティックでのアプローチ
l 検査によって見つかったサブラクセーションを取り除き、休息を取るようにしましょう。
③ 三叉神経反射
l 三叉神経障害
l 口腔疾患
l 首で起こる炎症←頚椎の正常前彎の減少、胸椎・腰椎・骨盤も関与
l 顎関節症
カイロプラクティックでのアプローチ
l 口の中で問題がないか歯医者さんで確認してもらいましょう。
l 首の問題を改善するために、背骨の骨組みに着目したアジャストメントを行います。首だけでなく胸椎や腰椎、骨盤での歪みを改善していくことが重要です。顎関節症に関しても背骨の骨組みの問題や、頸部からの神経支配の問題により起こっているケースが多いと言われています。
普段の生活で気をつけること
l 定期的に運動に取り組み交感神経を刺激すると同時にストレスの解消に取り組みましょう。
l 睡眠時間をしっかりと取りましょう。
l アルコールの摂取を控えましょう。
l 瞑想・マインドフルネスにより、脳の消費エネルギーを減らすことができます。
l 骨盤や背骨の歪みを正すため、姿勢の改善に取り組みましょう。
l 規則正しい生活習慣を身に着けましょう。
頭痛でお悩みの方は非常に多くいらっしゃいますが、
頭痛を原因から根本的に改善する努力をされている方は
非常に少ないように思います。
痛み止めの薬はその場しのぎの方法でしかありません。
徐々に効き目が悪くなり、服用する量は増えていき、
副作用のリスクもどんどん膨らんでいきます。
カイロプラクティックケアと生活習慣の改善により、
根本的な体質の改善を行っていくべきです。
自律神経とは?
自律神経系とは、無意識下で体内の組織・臓器をコントロールする神経系です。
自律神経系には交感神経系と副交感神経系の2種類のものがあります。
交感神経系はよく「逃走か闘争の反応系」と呼ばれ、体にストレス(運動負荷や精神的なストレスなど)がかかった時に優位になります。
副交感神経系は休息と消化の反応系で、エネルギーを保存し、栄養分を補給するように働きます。
自律神経系は様々な状況に合わせて最適な体の状態にすべく、交感神経系により体を活発モードにしたり、副交感神経系により体を休息モードにしたりしています。
自律神経系の調節
交感神経系と副交感神経系のバランスは脳(視床下部)で調節されています。
まず、求心性神経によって体の内外様々な情報が脳に入力されます。
脳は入力された情報を解析し、様々な状況に適応するために交感神経・副交感神経のバランスを調節し、様々な組織・臓器に命令を出します。
そして、その命令が遠心性神経を伝って標的となる組織・臓器に送られます。
この体→求心性神経→脳→遠心性神経→体というサイクルにより自律神経のバランスは保たれ、体は正常に機能することができるのです。
自律神経が乱れる原因
自律神経のサイクルを乱す要因は様々です。
精神的ストレスや化学的ストレス、乱れた生活習慣は自律神経系の働きの妨げになります。
そして、カイロプラクティックで取り扱うサブラクセーション(背骨で起こる神経圧迫)も自律神経系の働きを妨げる大きな要因になってしまいます。
自律神経を整えるために
まずカイロプラクティックを受け、サブラクセーションを取り除きましょう。
その上で、精神的ストレスの解消や化学的ストレスからの脱却、生活習慣の見直しを行うことで自律神経系の正しい機能を取り戻すことができるでしょう。