頭痛を薬で抑えるのはもうやめにしませんか?
頭痛はもっともよく見られる症状の一つで、頭痛の患者数は日本で4,000万人とも言われています。その原因はさまざまで、自然におさまる軽症のものから、中には命にかかわる病気が隠れていることもあります。日本医科大学脳神経外科 喜多村孝幸先⽣の調査によりますと、約4人に1人(26.3%)が週1回以上頭痛を患っている事が判明し、頭痛の症状や対処法などは8割以上が正しい理解には⾄っていないとの事でした。また頭痛により労働力が低下し、1日に約2時間半もの時間を損失しているとの事です。
以下に、一般的な頭痛の種類をいくつか説明します。
●緊張性頭痛
肩こりのある中高年の方に起こりやすい頭痛です。肩や首回りの筋肉の緊張が高まり、血流障害や神経痛を起こすことが原因と考えられています。典型的には、後頭部の締め付けられるような頭痛が起こり、めまい、吐き気、手のしびれなどを伴うこともあります。精神的なストレスや、天気などの環境要因も、頭痛悪化の原因になります。
●片頭痛
若い人に多く見られる頭痛で、女性に多い傾向があります。拍動性の強い頭痛の前に、閃輝暗点(目がチカチカして見づらくなる症状)や吐き気など、前兆の出現することが特徴です。強い頭痛は片側だけに起こり、通常は2−3時間でおさまります。
●群発性頭痛
群発頭痛は眼周囲~前頭部、側頭部にかけての激しい頭痛が数週から数ヵ月の期間群発することが特徴です。夜間、睡眠中に頭痛発作がおこりやすく、頭痛発作時に眼の充血や流涙、鼻汁や鼻閉、縮瞳と眼瞼下垂(まぶたが下がること)などの症状を伴うことが多いことも特徴です。また、頭痛発作中は落ち着かず興奮したような状態になる方が多く、動けなくなる片頭痛とは対照的です。
●感染症による頭痛
帯状疱疹が頭の皮膚に発症した場合は強い頭痛の原因になりますが、必ず発疹(皮膚のブツブツ)を伴い、片側性(左右どちらかにしか出ない)であることから、他の頭痛と見分けがつきます。
●その他、内科の症状で起こる頭痛
副鼻腔炎 緑内障 中耳炎、側頭動脈炎 など
●脳に関連した頭痛
くも膜下出血 脳腫瘍 髄膜炎 脳動脈解離、硬膜下血腫、脳内血腫、脳炎 など