股関節痛

股関節痛

歩くだけでも痛い股関節痛が改善

40代女性
来院に至った経緯
立ち仕事という事もあり慢性的な腰痛があった。30代後半から右側の股関節の痛みが出るようになったが、痛みは一時的で数日我慢すると痛みが改善する程度だった。40歳を過ぎてから痛みの頻度が多くなり、痛みの強さも強くなってきた。今まではジムに行く事で筋肉を維持するように心がけていたが、子供の塾の送り迎え等で忙しくなり、ジムに行かなくなった事で体重が増えてきていた。ここ数ヶ月は歩くだけでも痛みが出るようになってしまった為、整形外科を受診する事にした。病院での診断は臼蓋形成不全の診断でした。病院では痛み止めの薬と生活習慣の改善で経過観察するとの事で1ヶ月おきの来院を薦められた。もう少し進んでいくと年齢と共に筋肉が落ちて体重が増えてくると軟骨がすり減り、将来変形性股関節症になってしまい痛みが強くなってしまう事でした。幼少期に股関節脱臼があったと母から聞き、それも関連しているという事をしりました。ジムに改めて通うようにしたが、右の股関節の痛みがひどく、運動するもの限界で悩んでいたところ、友人が「島田市では花みずきカイロプラクティック院の評判がいいよ」薦めてくれた事もあり受診する事にしました。
初診の状態
  • 01

    左仙腸関節の可動制限

  • 02

    左起立筋の緊張

  • 03

    上部胸椎の乾いた肌の質感

経過と内容

【初診の状態】
左仙腸関節の可動制限
左起立筋の緊張
上部胸椎の乾いた肌の質感

【所見】
股関節:ROM制限あり(左正常/右屈曲50°右伸展10°)

【体表温度検査】
左SI L5 L2 T9 C1

【視診】
右肩上方
右耳介上方
脊柱側弯

【静的触診】
左起立筋の過緊張
右臀部内転(平たい臀筋)
右頸部の過緊張


【動的触診】
Fix:左SI、L5、L2、C1 
Hyper:右S1、T9

【レントゲン評価】
腰部レントゲン側面像では、側弯がある為正しく分析出来ないがD3程度。
腰部から胸部において側弯があり、棘突起が右にローテーション
頸部前弯カーブ消失(ストレートネック)
CE角 右16°左18°(正常値は25~30°)
【リスティング】
 L-Ili-ASEX、L2PRI-M、ASRP

【来院日】
2022年 1/4 1/11 1/20 1/27 2/3 2/15 3/1 3/14 計8回

【経過と内容】
股関節の痛みの強さ、そして左仙腸関節のサブラクセーションが慢性的だった為、週2回のケアを提案したが、仕事の都合上、週1回のケアからスタートする事にした。

3週目(3回目のアジャストメント)には、左の仙腸関節の可動性が良くなってきた。右側の股関節の痛みはまだ続いている。今まで患側の右仙腸関節の動きがハイパーで動きすぎだったものが、正常程度になってきた。

5週目(5回目のアジャストメント)には、腰痛はほとんど気にならなくなり、右の股関節の痛みも軽減、立ち仕事時や歩行時の痛みは軽減してきた。炎症が軽減してきたのだろう。骨盤部も安定してきたので、2週間に1回の周期に広げてみる事にした。

7週目(6回目のアジャストメント)時、右仙腸関節の過可動性(ハイパー)も安定を維持していた。第2腰椎のサブラクセーションも改善の兆候がみえ可動性が出てきた。ROM検査では、右股関節可動域(屈曲50°→80°/伸展10°→正常)が改善してきた。

11週目(8回目のアジャストメント)時、ROM検査では、右股関節可動域(屈曲80°→正常/伸展10°→正常)が改善してきた。たまにチクっとする痛みはあるようだが、生活にも支障がなくなり、ジムにも再開出来るようになった。
最初に比べ股関節の痛みはかなり改善してきた。右股関節について、痛みは落ち着いただけで臼蓋形成不全の状態は変わって事を改めて説明し、継続的な筋力維持、体重管理の必要性を共有。そしてカイロプラクティックによる定期的なメンテナンスの重要性も共有し、その後も定期的なケアを続けている。



考察
今回の股関節の痛みは、先天的な問題があったものに、骨盤と腰椎による原因であった。
特に右腸骨の内転(右骨盤が開く方向)によるもの、また股関節の周辺組織に神経支配している腰椎(特にL2)の影響が強かったと思われる。股関節には全く手を加える事がなく症状は劇的に完全した。
股関節の問題のほとんどのケースでは、股関節自体に問題があるわけではない。股関節に負担をかけている他の場所に問題が存在する。確かに遺伝的な問題で股関節の形状が生まれつき変形している場合もあるが、そのような場合でも成長とともに体は適応し、股関節周辺の筋肉や靭帯は強化されていく。
また股関節が急に変形することはなく、股関節が変形するまでには必ず時間が経過している。
骨棘形成や股関節の軟骨がすり減る現象など、股関節が変形するということは、決して悪いばかりではなく、体が適応しているという意味がある。
ここで重要なことは股関節の形状だけに着目するのではなく、その股関節の形状が変化した根本原因に着目しなければならない。
特にカイロプラクティックでは、股関節の根本原因は腰椎や仙骨から出る神経に着目している。 なぜなら、それらの神経は股関節に関与しているからである。神経を介して脳と体を繋ぐ神経のサイクルが正常であれば、損傷をしても自然に治癒することができるようにプログラムされている。 股関節の痛みやや変形の進行があった理由は、股関節に供給している神経に問題があり、損傷部分の修復が行われていない状態になっているだけなのである。
今回は、サブラクセーションによって起こっている股関節と脳をつなぐ神経のサイクルの異常を、正常に戻し、自然治癒を発揮させ完治に導いた症例である。

執筆者孕石 尚志

昭和48年7月 静岡県島田市出身
東京カイロプラクティック師協会認定の附属治療院にて副院長を任され、2005年7月島田市にて開業。近隣医院と提携したレントゲン評価を導入した正統派カイロプラクティック院として評価され、新規患者の約7割が紹介という広告に一切頼らない口コミによるネットワークを確立。現在ではカイロプラクティック界の名門シオカワスクールにて、塩川満章D.C.の内弟子として、塩川雅士D.C.のもとカイロプラクティックの講師として精力的に活動中。

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