腰痛

腰痛

座っていられない程の腰痛が改善

10代男性
来院に至った経緯
慢性的な腰痛に悩まされていたが、2023年2月から腰痛が酷くなり、座っていられない程痛みが出てきた。現在浪人生の為、2024年の受験に向けて追い込みの最中である。しかしながら、椅子に長時間座っていられない為、椅子に座っての受験勉強が出来ず、また受験にも集中する事が出来ない状況が想定される為、1日でも早い改善を望んでいた。整形外科・ペインクリニック・接骨院・整体・はりなど色々な病院や治療院にいったが一向に改善されない状況が続いていた。整形外科では骨には異常は無いという事で、リハビリの通院と、痛み止めの処方があった。痛み止めを飲んでも痛みは引かず、右足親指のしびれも出てきた為、他のペインクリニックで相談するとヘルニアとの診断を受け、ブロック注射を何回も打ったが痛みは全く改善されなかった。痛みは段々酷くなり、座っているだけでなく、立っている状態でも、仰向けで寝ていても痛みが続いていた。横向きで寝ながらなんとか勉強をするそんな状態が続いていた。そんな中、Google検索で当院をみつけ、レントゲンを使った施術をしてくれるという事で信頼性があり予約をした。
初診の状態
  • 01

    5分も座っていられない

  • 02

    左仙腸関節の可動制限

  • 03

    左仙腸関節の大きな浮腫

経過と内容
【所見】
頸部:バレ・リュー(-)マイグネ(-)
腰部:ATR(±・+)PTR(+・+)SLR(-・-) ケンプテスト(-・-)

【体表温度検査】
SI L1 T10 C6 OCC

【視診】
右耳介上方
右肩峰上方
左短下肢

【静的触診】
左仙腸関節に大きな浮腫
左仙腸関節の湿った皮膚の質感
右後頭下浮腫

【動的触診】
Fix:左SI、T5、OCC
Hyper:T10 右SI

【レントゲン評価】
腰部レントゲン側面像ではD3程度。
腰部から胸部において側弯があり
頸部前弯カーブ消失(ストレートネック)

【リスティング】
L Ili PIEX、PS-RS-RP

【経過と内容】
受験勉強が出来ない状況からいち早く脱したいという思いがあったが、年齢的にも若く、椎間板の変性段階もD2~D3程度であった為、週1回のケアからスタートする事にした。

1週目(1回目のアジャストメント)直後、左仙腸関節の動きが明らかに良くなり、座っている状態から立つ動作が楽になっていた。なるべく長く座らずウォーキングをする時間も作るようアドバイスをした。

2週目(2回目のアジャストメント)には、左の仙腸関節の可動性が良くなってきた。今まで10分も座れなかった状態から、30分位座れる時間が増えた。立っている状態での痛みはほとんど無くなっていた。

3週目(3回目のアジャストメント)には、腰痛はほとんど気にならなくなり、長時間座っていられるようになった。右足のしびれもなくなった。健側の右仙腸関節の動きがハイパー(過可動性)だったが正常の可動状態になってきた。左腰部や左仙腸関節付近の湿った皮膚の質感も改善されていた。

5週目(5回目のアジャストメント)には、抱えていた症状(腰痛・坐骨神経痛・頭痛・下痢・不眠)はすべて改善していた。

定期的なメンテナンスの重要性を共有し、帰省時にはカイロプラクティックケアを受けたいという申し出があった為、今後も継続的なケアをしながら経過観察を行う。

考察
今回の患者さんは座っている事が出来ない程の腰痛が続いていた学生の患者さんであった。初回の状態は腰痛がひどく、検査中の短い時間の間でも痛みに耐えられず立ってしまう程、腰痛は悪化していた。
受験勉強にしっかり向き合えないストレスなどもあり、頭痛や下痢や睡眠の状態も悪く自律神経にも影響が出ていた。
右足のしびれがあったが、身体は左仙腸関節にあきらかな浮腫と可動性消失のサブラクセーションがあった為、腰椎よりも仙腸関節に対しアプローチする事にした。また痛みが鋭くそして早い痛みが出ている事、そして下痢の症状もあった為、副交感神経系に絞ってアジャストメントを行った。
1回目のアジャストメント直後には数分座れるようになり、3回のアジャストメントでほとんど痛みが消えていった。適切にサブラクセーションを定めアプローチした事で、想像以上に早い回復に繋がった。

今回の痛みは、長時間机に向かっていた事、しかも足を組んだ悪い姿勢で長時間座っていた事、運動不足であった事、精神的ストレスなど、大学受験という大きなチャレンジの為、身体に掛かっていたストレスが原因で、身体が危険を察知して痛みとしてシグナルを出していたのであろう。
カイロプラクティックのアジャストメントによって、4週目の頃には受験のストレスも減り、更に腰痛の症状は改善に向かっていった。また、下痢や頭痛や不眠などの自律神経の症状も徐々に安定していった。
今回は患者さんの訴える症状に捕らわれすぎる事なくしっかり受け止め、冷静にサブラクセーションを分析した結果、症状の改善に繋げる事が出来た症例であった。

執筆者孕石 尚志

昭和48年7月 静岡県島田市出身
東京カイロプラクティック師協会認定の附属治療院にて副院長を任され、2005年7月島田市にて開業。近隣医院と提携したレントゲン評価を導入した正統派カイロプラクティック院として評価され、新規患者の約7割が紹介という広告に一切頼らない口コミによるネットワークを確立。現在ではカイロプラクティック界の名門シオカワスクールにて、塩川満章D.C.の内弟子として、塩川雅士D.C.のもとカイロプラクティックの講師として精力的に活動中。

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