腰痛

腰痛

大好きな登山が出来なくなる不安が解消した

40代男性
来院に至った経緯
登山が趣味で月2回程度楽しんでいる。1年前より、登山後ふくらはぎのはり、臀部のはり、腰痛が出るようになってきた。整形外科に受診したところ骨には異常は無いので筋肉痛のような症状だと思うので、登山は控えるように言われた。接骨院では電気治療を臀部と足にしてもらい、週2回程度1年続けていた。治療を受けたその時は楽になる気がするが、登山後の筋肉のはりや腰痛は改善する事がなかった。大好きな登山を控える様に言われたり、1年治療を続けたが改善していかない自分の症状に対して、大好きな登山が今後出来なくなるのではないかという大きな不安に悩まされていた。たまたま知人とそんな話をしていたら、島田に本格的なカイロプラクティックがあるよと薦められて、カイロプラクティックは聞いたこともない治療手段だったので半半信半疑であったが予約をしてみた。
初診の状態
  • 01

    左右臀部の過緊張

  • 02

    ふくらはぎの過緊張

  • 03

    右起立筋の過緊張

経過と内容

【所見】
腰部:SLR(――)
頚部:ROM制限(――)

【体表温度検査】
C5、T6、L5、左SI

【視診】
左肩峰上方
右短下肢

【静的触診】
左仙骨の浮腫
第五腰椎と仙骨間の浮腫
右起立筋の過緊張

【動的触診】
Fix:左SI、L5、C5、
Hyper:T6

【レントゲン評価】
腰部側面像にてL5の椎間板スペースの段階D4とサブラクセーションの慢性化を確認
頸部側面像にてC5の椎間板スペースの段階D4とサブラクセーションの慢性化を確認

【リスティング】
P-L(L5PRS)、C5PLI-La

【経過と内容】
初診時の状態は左側の仙腸関節には明らかな可動域制限がみられた。
レントゲンでは、腰部がD4レベル、頚部はD4レベルと慢性的な段階と確認できたため、初期集中期の目安として週2回のケアを提案したが、登山に行きたいという患者さんの都合なども考慮し、1週間に1回のケアから始める事にした。
3週目(3回目のアジャストメント)では、静的触診では左仙腸関節の浮腫感の軽減が確認でき、臀部のハリが明らかに緩和されてきた。
6週目(6回目のアジャストメント) では、左仙腸関節の可動制限が緩和されてきて、起立筋筋の緊張も緩んできた。
9週目(9回目のアジャストメント)では、登山後の臀部やふくらはぎのはりが今までより随分楽になったと報告を受けた。仙腸関節や頸部のサブラクセーションも改善の傾向があった為、2週間に1回のケアに以降した。
15週目(12回目のアジャストメント)では、左仙腸関節の可動性の改善や浮腫感の改善がみられたが、第五腰椎の可動性の制限がまだ残っていた為、左仙腸関節から第五腰椎にアジャストメント箇所を変更し対応した。アジャストメント直後から反応がよく、腰がすごく楽になったという感想を得た。
19週目(14回目のアジャストメント)では、腰痛、ふくらはぎのはり、臀部の痛みがすべて改善。登山後の筋肉痛は1日程度残るものの慢性的な疲労もなくなった。現在は、症状はほぼ緩和したが、身体のメンテナンスとして定期的なメンテナンスを4週間に1回のペースで継続している。


考察
今回の腰痛は、左仙腸関節の問題が長期的に続き、腰椎と仙骨間の椎間板に影響を与え、腰椎の神経に負担がかかったことにより、臀部やふくらはぎのはりに繋がっていたと考えられる。
問診では特に自律神経系症状はみられなかった為、交感神経と副交感神経のバランスを加味せず、筋骨格系(全脊柱を対象)でアプローチを開始した。
腰部の椎間板の段階はD4レベルと椎間板には最低でも5年から10年以上前から負担がかかっていることが確認できた。今回に症状は1年前に発症したようだが、1年前に問題(サブラクセーション)が発生した訳では無く、長期間骨盤のサブラクセーション(根本原因)を放置してしまったことが、症状に繋がったものと考えられる。
骨盤の傾きによって背骨の配列は負担がかかるが、この状態を放置してしまうと腰椎の椎間板には日常的に捻じれの負担が起こってしまう。今回の患者さんは仙骨基底部が右に傾いており、第五腰椎や右起立筋に大きな負担をかけていた。
人間には「与えられた環境に対して適応する力」という偉大な力が備わっており、骨格がバランスを崩していた事で、その環境に適応しようとして、臀部の筋肉や起立筋やふくらはぎの筋肉を緊張させ支えていたと考えられる。
今までの電気治療は対症療法であり根本的な原因が解決されていなかった為、臀部やふくらはぎの筋肉を緊張して支えざるを得なかったのではないかと推測する。カイロプラクティックによって根本的な原因を取り除いた事で、症状は大きく変化していき、再発もしなくなった。
また根本原因を特定しアジャストメントによって神経の流れが正常に働くことで、自然治癒に繋がったものと考えられ、神経の働きと人間の適応する力の重要性が分かる症例である。

執筆者孕石 尚志

昭和48年7月 静岡県島田市出身
東京カイロプラクティック師協会認定の附属治療院にて副院長を任され、2005年7月島田市にて開業。近隣医院と提携したレントゲン評価を導入した正統派カイロプラクティック院として評価され、新規患者の約7割が紹介という広告に一切頼らない口コミによるネットワークを確立。現在ではカイロプラクティック界の名門シオカワスクールにて、塩川満章D.C.の内弟子として、塩川雅士D.C.のもとカイロプラクティックの講師として精力的に活動中。

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